詩）恋の卵

Adios Amigo

「恋の卵」

秋の夜は

急に風が冷たくなって

人恋しくなる。

ちょっと

一人じゃいられなくなる。

長すぎる夜には

君を呼び出して、

また

踊りに行きたいのさ。

スペイン人たちと一緒に踊った

あの酒場

火照った体を僕に摺り寄せて

踊った

あの暗闇

ねぇ、踊りに行こうよ。

子どもなんかほったらかしてさ。

一晩くらいいいじゃない

ローズマリーの葉を摘んできたよって

そう言えばわかるよね。

たまには心底陽気になって

踊って

踊って

踊って

過ごそうよ。

一晩くらいいいじゃない。

食事の後かたづけなんて

ほったらかして、

踊りに行こうよ

気まじめばかりじゃ燃え尽きる。

今夜はとても一人じゃいられない。

ローズマリーの葉をポケットに忍ばせて

車で迎えに行くよ。

スペイン人たちと一緒に踊った

あの酒場

火照った体を僕に摺り寄せて

踊った

あの暗闇

そこから恋の卵が孵るから

温めに行こうよ

体を摺り寄せて

恋の卵を温めに行こうよ。